今回は『 就活生が財務諸表の読み方を学ぶべき理由と、財務諸表についての簡単な説明 』をまとめます。
就活生が財務諸表と聞くと、難しそうなイメージを持つかもしれませんが、慣れれば難しいことはありません。
管理人(技術系)は入社時に簿記3級を取得、株式投資でも財務諸表を使っている立場ですが、就活生はそこまでの学習は必要ではありません。
就活生が企業研究の足しにするレベルなら、誰でもすぐに読めるようになります。それでいて、読めるようになった時のメリットは非常に大きいです。御託はこの辺にして、さっそく本題に入りましょう。
結論ファースト
就活生が財務諸表の読み方を学ぶべき理由は、以下の4つです。
- 会社の経営を見る目が変わる
- 経営がヤバい会社を見分けられる
- 入社後も腐らないスキル
- 就活中は財務諸表を学ぶ絶好のチャンス
では、一つ一つ見ていきましょう。
会社の経営を見る目が変わる
財務諸表とは、会社が決算の時に公表する資料であって、以下3つが主要な構成要素です。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
財務3表の図解 pic.twitter.com/k0r2lyRitT
— チャーリー (@tetsurokondoh) March 11, 2019
会社の状況を客観的に判断できる
財務諸表とは、株主、取引先、客といった会社の利害関係者に対して、「うちは今こういう経営状況です」と説明するための資料です。決算に関する用語・データというのは、経営の世界の共通言語です。
したがって、財務諸表を自力で読むことが出来れば、自分で会社の状況を客観的に判断できるようになります。説明会では社員が調子いいことを言ったり、採用ホームページにはさも素晴らしい会社であるかのような書き方をしていますが、「ホンマかいな」と自分で客観的なデータを使って検証することができます。
ビジネス記事を正確に理解できる
さらに、日経新聞やビジネス誌の記事を正確に理解できるようになります。これらも決算に関する基礎知識を前提とした記事が多くあります。「日経新聞を読んでるけど、イマイチ理解できん」という人は、野球のルールを知らないままプロ野球の記事を読んでいるようなものです。そりゃ理解に限界があるに決まってます。
たとえば、最近「日産、2020年度上期決算発表 連結営業損失1588億円、純損失444億円に」という記事があったのですが、財務諸表の読み方を知らなければ、このニュースの意味がわからないだろうし、ひいては同社の経営状況に関する話も大して理解できていないものと思われます。調べてみると数字ほどインパクトないよ。
並の就活生と差を付けられる
財務諸表をこそこ読めるようになれば、業界研究で並の就活生と差を付けられます。今まで以上に企業の決算やビジネスのニュースがわかれば、より一層勉強する気が湧いてくるはずです。そうなればさらに勉強して知識が得られる、得た知識を絡めて面接でアウトプット…こうして好循環を続けていれば、自ずと内定に近づくことは間違いありません。
経営がヤバい会社を見分けられる
財務諸表は経営状況を定量的に表すのですから、当然経営がヤバいことも一目瞭然となります(それを誤魔化すのがいわゆる不正会計とか粉飾決算です)。
「三菱商事も三井物産も大赤字だったらしいじゃん。ヤバくね?」
「東芝は大企業だし、絶対安泰っしょ」
考えが及ばない就活生たちからはこういった声が聞こえてきそうですが、財務諸表の知識があれば「アホかこいつら」と一蹴することができます。
三菱商事や三井物産が過去の度決算で赤字となったのは、資源価格の下落により減損を出したからだ。本業がボロボロになった訳ではありません。東芝の自己資本比率は数パーセントになるという報道があったにもかかわらず、過去の夏のインターンには大勢の学生が来ていたそうです。製造業なら自己資本比率20%以上は欲しい。
まあ、理系院生なんて大半は技術の勉強しか出来ないお子ちゃまに過ぎないので、何のことだが理解してなかったのでしょう。とまあこんな感じで、就活生の情報交換なんて、ワイドショーで見た芸能ネタをくっちゃべってるオバチャンの井戸端会議レベルの生産性です。
こんな幼稚なレベルから卒業して、日経新聞やビジネス誌と同じレベルで会社の安全性を議論できるようになりましょう。そうすれば口コミや噂に流されるのではなく、潰れそうな会社を正しく避けることが出来ます。
入社後も腐らないスキル
会社に入ったら財務諸表(簿記・会計)の勉強をする・させられる人は多いです。
どこの会社でも経理に配属されたら勉強しないといけないでしょうし、商社マンなら子会社の経営に関与する訳です。金融関係は言わずもがな。
意外にも技術系の部署であっても、課長以上の管理職は簿記・会計の知識が必須です。部材購入・見積もり・決算・部内予算集計時などに登場します。一般社員であっても、経費の計上などは、会計が絡んできます。そういった背景もあり、(冒頭で述べたように)管理人の会社では、技術系であっても簿記3級の取得を求められました。
プロのレベルに達するには相当な勉強が必要ですし、プロになる必要もない人が大多数ですが、ゼロからスタートするのと、基本を知っているというアドバンテージ有りで始めるのでは負担が違うのは明白でしょう。
また入社後に資産形成(株式投資)などしたい就活生もいるかと思いますが、そこでも財務諸表に関する知識が活きてきます。管理人も就活時に研究・選考を受けた会社の財務を見て投資していますが、今のところ業績が着実に伸びてきています。
就活中は財務諸表を学ぶ絶好のチャンス
就活中は嫌でもニュースを見て企業研究をするのですから、自ずと財務諸表の読み方の実践訓練が出来ます。むしろ企業に入ったばかりの若手社員よりも、業界研究・企業研究に向けた意識も高く、学ぶ熱量が高いポジションにいるかと思います。
就活の役に立つだけでなく、将来への投資となります。こんな素晴らしいチャンスなのにトライしない人はいないはずです。
財務諸表の勉強への入り口
引用)【図解】財務3表 チャーリーさん
財務諸表には、3つの主要な構成要素があります。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
次回以降に一つひとつ詳しく見ていくとして、ここではそれぞれどんな役割なのか軽く説明しておきましょう。
貸借対照表
貸借対照表はバランスシートとも呼ばれます。貸借対照表は、決算日時点での会社の資産や負債の状況をまとめたものです。もう少し簡単に言うと、会社がどんな資産(現金・株・土地・建物・機械など)を持っているのかと、それらを買うのにどうやって金を調達したのかを表します。この表からは会社の安全性がわかります。
損益計算書
損益計算書は、ある期間の会社の収支を表します。どれだけ売り上げがあって、費用はどのくらいかかり、最終的にどれだけ儲かったか(損したか)をまとめてある。見ての通り、損益計算書からは会社の収益性がわかる
キャッシュフロー計算書
読んで字の如く、キャッシュ(現金)のフロー(流れ)をまとめた表です。ビジネスの世界では、取引が成立した瞬間に決済まで終わらせているとは限りません。クレジットカードで買い物して、翌月に金が引き落とされるのと同じイメージです。
しかし、会社経営では現ナマは非常に重要です。借金が返せなくなったら会社は倒産するためです。という訳で、損益計算書で計上した利益からはわからなくて、実際の金の流れをまとめたのがキャッシュフロー計算書です。また、この表からは会社の将来性もわかる。
財務諸表の概要を知るだけで、企業研究時に着目する視点が異なるはずです。もう少し深く知りたい方は、チャーリさんの図説記事が断然おすすめです。
👇 就活生におススメのチャーリーさん記事
良くまとめられているので、管理人も何回か読み直して学習しました。
まとめ
今回は『 就活生が財務諸表の読み方を学ぶべき理由と、財務諸表についての簡単な説明 』をまとめました。今回の内容をまとめると以下の通り。
【就活生が財務諸表を学ぶべき理由4点】
- 会社の経営を見る目が変わる
- 経営がヤバい会社を見分けられる
- 入社後も腐らないスキル
- 就活中は財務諸表を学ぶ絶好のチャンス
21世紀に年収を伸ばすスキルとして名高い『IT・英語・会計』です。これらスキルは、自分がどの分野にいても掛け算することが可能です。将来年収がほしい人は、機会を見つけて早い段階で素養だけでも身に着けてはいかがでしょうか。
このうちの『会計』に関しては、就活時に鍛えることができます。社会人になる段階で財務諸表の概要だけでも勉強して、日々の企業研究などでスキルを養ってください。決してプロになる必要はありません。ただ将来、基礎が身についているか・ついていないかで大きな年収差を生むことは間違いありません。
横から失礼します。
理系(研究職や技術職)でも必要でしょうか?
投資などは考えておりません。