スタンフォード大学の授業「5ドルを2時間で何ドルに増やせる?」が面白いのでレビュー

NHK白熱教室でも有名なティナ・シーリグは、スタンフォード大学の集中講義で生徒達にこのような課題を出します。そしてチーム毎に4〜5日プランを練らせ、その後は実際に2時間でお金を稼いで貰います。

結果、

「1番増やしたチームは、5ドルを2時間で650ドルにまで増やします」

彼らがお金を稼ぐために行った事はなんでしょうか。

5ドルで賭け事を行ったのでしょうか。それとも5ドルで買った商品に付加価値をつけ、

それを売ることによってお金を増やしたのでしょうか。

「いいえ、違います」。そのようなありきたりな方法ではありません。

実際にそのような方法を取ったチームもいましたが、それらチームは5ドルの資産収縮率が、全チームの平均以下の結果しか得られませんでした。




5ドルを多く増やしたチーム3例

実際にお金を多く増やしたチームの例をみてみましょう。

例1. 人気のレストランに並んで、予約料を取る

あるチームは、学生街でよくある問題に目をつけました。土曜の夜になると、人気のレストランには長蛇の列ができます。並んで待つのはイライラするものです。そこで、列に並びたくない人のお役に立とうと考えたのです。

学生はまず二人一組になって、いくつかのレストランに予約を入れます。予約の時間が近づくと、長時間待ちたくない人たちにこの席を売るのです。最高二〇ドルで売れました。

少しすると、面白いことに気づきました。男子学生よりも女子学生の方が、予約席がよく売れるのです。並んでいる人たちも、若い女性に声をかけられた方が安心なのでしょう。そこで、当初の計画を変え、男子が手分けしてレストランを予約し、女子か列に並んでいる人に席を売ることにしました。

もうひとつ気づいたことがあります。この作戦がとくにうまくいったのは、待っている客に無線端末を持たせて、席が用意できると知らせるレストランでした。客は、レストランから配られた自分の端末と、学生が持っている端末を交換すると、何か確かなものにお金を払ったような気になれます。学生は学生で、順番が近づいて鳴りそうな端末をまた別の客に売ることで、ボーナスを稼ぐことができました。

例2. 自転車のタイヤの空気圧点検を無料で行う

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あるチームは、学生会館の真ん前で、自転車のタイヤの空気圧を無料で調べることにしました。必要なら1ドルで空気を入れます。じつは、それほど遠くない場所にガソリンスタンドがあり、そこまで行けば、自分で簡単に空気を入れられます。

当初、このチームは、仲間の学生の気の良さにつけこむことになるのではと考えていました。ですが、最初の二、三人の客が帰った後、利用者が思いのほか喜んでくれたことに気づきました。

近くにタダで空気を入れられる場所があり、このサービスが重宝がられたのです。それで、どうしたか? 二時間の制限時間が半分ほど過ぎた時点で、料金を請求するのをやめ、寄付をお願いする作戦に変えたのです。これで、収人が一気に増えました。決まった額を請求したときよりも、「無料でサービスするのでお気持ちをください」と言ったときの方が、実入りをはるかに多く得る事が出来ました

例3 スタンフォード大学の優秀な学生の立場として、プレゼンを会社に売り込む

いちばん多くを稼いだのは別のチームでした。このチームは、「自分たちが使える資源は何なのか?」をまったく違うレンズで見て、六五〇ドルを稼ぎ出しました。もっとも貴重な資源は、五ドルでもなければ、二時間でもない。月曜日の三分間のプレゼンテーションこそがいちばん貴重だと、閃いたのがミソでした。そこで、クラスの学生を採用したいと考えている会社に、その時間を買ってもらうことにしたのです。

プレゼンテーションは本来、自分たちがしたことを発表する時間ですが、このチームは、会社のコマーシャルを製作して上映しました。とてもいい出来でした。自分たちにはかけがえのない資産がある。そのことに、学生たちは気づいたのです。ほかの人たちが気づきもしなかった資産、すぐ目の前にある資産でした。

5ドルを多く増やしたチームの発想

驚くべき事に、5ドルを大きく増やしたチームの多くは、

お金を一切使わずしてお金を増やします

今回の課題のポイントは、いかにお金に捉われずして稼ぐか。この発想の転換が出来たのか・出来なかったかにより、結果に大きく差が生まれたと考えられます。

その点1番稼いだチームは見事自分たちの無形資産(優秀な頭脳)を活かしていますし、

その他のチーム(レストランチーム・自転車点検チーム)もお金を使わずして稼ぎます。

レストラン予約のチームは、女子学生の方が予約を取りやすいと判断し、男女分業を選択

します。また空気入れのチームは、お金を取る方式よりも、気持ちの分だけ寄付を求める

方式の方がお金を得やすいと考え、作戦を変えますが、彼ら・彼女らの対応力もさすがです。

まとめ

スタンフォード大学の学生は、お金を使わずにお金を増やすというすごい事をやってのけました。管理人も運が良かったこともありますが、見知らぬ土地でお金を増やして交通費をまかなう事には成功しました。

どちらも周囲の状況にアンテナを立て、一生懸命考えることでお金を増やすチャンスを得たのだと思います。

もしあなたがお金を増やしたいと思うのなら、今回のスタンフォードの話は参考になるのではないでしょうか。お金がなくてもアイディアでお金が作れますし、それ以上に自分の経験や知識という無形資産の活用を考えることでお金を稼ぐ幅が広がります。

「あなたは5ドルを元手に2時間でいくら稼げますか?」

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